八千代町・高病原性鳥インフルエンザについての報告
平成16年3月8日

 民主党兵庫県連

高病原性鳥インフルエンザ調査・対策本部

副本部長 高橋昭一

(民主党兵庫県第4区総支部代表)

■はじめに

民主党兵庫県連・高病原性鳥インフルエンザ調査・対策本部として担当区にあたる兵庫4区内である「多可郡八千代町」での発生経過及び処理状況他の調査を行いました。発生以来の八千代町あげての緊急対応と、3月7日(日)の焼却処分終了を受けて、同町の状況は落ち着きを取り戻しつつあります。しかし、これまでグリーンツーリズムを中心にさまざまな施策を実施してきた同町が被った影響は深刻であり、国、県の現状に即した支援が不可欠であると実感します。以下に発生経過、処理状況、必要とされる援助の考え方等を報告させていただきます。

 

■調査概要

平成16年3月5日(金)八千代町内視察

平成16年3月8日(月)八千代町役場ヒヤリング(八千代町産業課)

 

■経過についての報告

1、(有)アリノベにおける入荷、感染状況など

@京都府丹波町浅田農産船井農場から入荷された鶏の状況について

2月25日に入荷した3200羽のうち、600羽が小卸売業者に出回る。大阪府と京都府の販売店にスープ材料として60羽分が使用されている。

2月26日に入荷した6732羽は全て冷凍保管

2月27日に岡山県及び広島県から約6800羽が入荷

A有限会社アリノベからの申告

2月25日〜26日に入荷し、ケージから取り出した16羽中5羽を2月27日午前3時に兵庫県姫路家畜保険衛生所の職員が持ち帰り、簡易キット検査を実施した結果、5羽中5羽から陽性反応が出た。それは岡山県からの入荷分に感染していた。

広島からの入荷分については、11羽中11羽が陰性反応だった。

 

2、陽性反応確認後の八千代町の動き

◎2月27日(金)午後6時、八千代町鳥インフルエンザ対策本部の発足。

◎2月28日(土)午後7時、記者発表:有限会社アリノベ3名、町長、助役、教育長、産業課長。

 

◎2月29日(日)

 ○緊急速報第一弾、高病原性インフルエンザ情報

 ○高病原性鳥インフルエンザを疑う事例の発生についてのお知らせ

 ○学校給食の安全についてのお知らせ 以上3種類を全戸配布

 

 ・同日、町長、産業課長、2名が北播磨県民局ならびに県、農林水産部黒田部長、

  青砥防災官に(有)アリノベの生きた鳥約6800羽及び冷凍保管中の鶏肉の早期

  処分を要請。

 

 ※八千代町内での処分埋却地は、地質や地理条件(岩盤質、地下水流出など)の

  関係上、適切な場所がないため、焼却処分を要請した。

 

 ・県職員の技術支援を要請。(鶏処分の専門家への依頼)

 

 ・事後処理後の被害に対する助成を懇願。

 

 ・同日午後10時、兵庫県から(有)アリノベや千代工場に搬入された鶏を簡易検査

  した結果、陽性が確認された旨の報告有り、同日より、移動自粛措置となった。

 

◎3月1日(月)○「高病原性インフルエンザに関する情報について」

        ○「第2弾・高病原性鳥インフルエンザ発生!!(緊急速報)」

         以上2種類全戸配布

◎3月2日(火)○「第3弾・高病原性鳥インフルエンザのQ&Aと緊急情報」

         全戸配布

◎3月3日(水)○「第4弾・移動自粛区域が縮小されました」全戸配布

◎3月5日(金)○「第5弾・姫路市内での大型焼却炉で焼却決定」全戸配布

◎3月8日(月)○「第6段・兵庫県内での野鳥の鳥インフルエンザ対策についての

         お知らせ」全戸配布

 

3、移動自粛措置について(丹波町は移動禁止措置)

@八千代町の場合、2次感染地であること

A食鳥処理場((有)アリノベ)に出入りした車両が特定され限定的であること。

B食鳥処理場にいた期間が短いため、ウイルス排出があったとしても極めて少量であること。

C食鳥処理場から搬出されるものは、既に脱羽され、冷凍で梱包された状態であったこと。

 

上記の理由から、半径5kmの移動自粛について、農林水産省と協議し、確定した。

5km範囲内は、八千代町を中心として、加西市、西脇市、加味町、中町の区域を定めた。また「擬似患蓄」として、鶏肉、鶏卵、飼料、鶏糞も4項目について、八千代町内外の取引や流通を自粛することになった。

 

4、特別立入検査について

◎3月1日

・ペット鳥調査 町職員15名で聞き取り調査を実施

(ペット鳥の種類と飼育状況、飼育羽数の調査)

◎3月2日

・県家畜保健衛生職員による500羽以上の養鶏農家(6戸)、烏骨鶏農家の鶏と、北小学校、南小学校の飼育ペットの血液検査を実施。

・県社農林及び町職員を5班に分けて92戸に特別立入検査を実施。

◎3月3日

・3月2日の調査の結果、500羽以上の養鶏家(6戸)とペット鳥類(92戸)に関しての目視調査はすべて異常なし

 

5、消毒ポイントの設定

・八千代町対策本部により、県畜産課に申し出を行い自主的に消毒ポイントを仕出原字野新田5番地の28(面積3,500u)をメインポイントとし、JAみのり所有のライスセンター前広場をサブポイントとする。

・養鶏農家には飼料の取引先に向かう1週間の入荷状況を聞き取りし,、県畜産課と養鶏農家から、中町経由から八千代町の消毒ポイントに入るルートを飼料業者に徹底させる。

・3月3日午後3時よりペット鳥の飼育家庭にロンテッド(農薬)を1戸に1個配布する(92戸のペット飼養家庭と町有施設6施設に配布)

・役場内外の消毒を町職員により行う。

・3月4日午後1時から卵ストックポイント会議、県社農林、西脇普及センター、JAみのり八千代支店、町、県家畜保健所の計6名で実施。

<協議結果>

@自家処理する方向で協議まとまる

Aストック後の卵の処理は焼却処分

 

6、処分決定

3月3日午後7時10分、県対策本部で記者発表。

兵庫県対策本部の記者会見があり、姫路市内の大型焼却炉で焼却するコメントが発表された。

 

7、町有施設の理事長、施設長、支配人、料理長を含む施設部会の開催(3月4日)

@鶏肉、卵の取り扱い方

A事務所職員、ウエイターなどの応対教育

B玄関などの貼紙による掲示

C玄関、駐車場などの消毒の徹底(農薬ロンテッド配布)

 

8、(有)アリノベに保管の50t分の鶏肉処分について(3月5日)

・3月5日午後6時から未明にかけて、県職員ならびに(有)アリノベの職員によって、殺処分鶏は、約6800羽。数羽ずつポリ袋に厳重に密封し、完全消毒したものを不浸透性の大型袋(フレコンバック)に詰め、運搬車(密封型・消毒済)に積み込み運搬。

・搬送経路は、(有)アリノベ八千代工場〜役場前の町道6号線〜県道24号線(中北条線)を経由して、産廃処理業者へ搬送。

 

9、鶏肉及び6880羽完全処分(3月7日)

・焼却完了日時:3月7日(日)午前2時24分

・焼却場所:新日本開発梶@姫路市飾磨区中島3059番地20

・処分内容:処分した鶏 6880羽(常温保存)

      食鳥肉等 33,150kg(冷凍保存)

      羽毛 処理ラインの壁面及びポンプ槽内に付着した羽毛

・作業工程:

 3月5日(金)9:00アリノベ八千代工場からの搬出作業開始

        18:00 新日本開発への運搬開始

        19:28 新日本開発にて焼却開始

 3月6日(土)2:25 アリノベ八千代工場からの搬出作業終了

        4:00 新日本開発への搬入終了

 3月7日(日)2:24 焼却作業完了

 

10、社農林振興事務所の振興部長、所長が来町(3月8日)

@養鶏農家の鶏について、もう一回簡易検査をする。

A野鳥の鳥インフルエンザ対策についての依頼がある。

 

11、野鳥対策

・鳥インフルエンザの野鳥対策について、3月8日(月)午後1時に通知あり、

「第6弾 兵庫県内での野鳥の鳥インフルエンザ対策について」を全戸配布

(3月8日午後3時)

 

■被害状況などについて

本件発生以来、八千代町では、鳥インフルエンザ感染拡大を阻止するために、迅速な対応がなされてきた。その中でも、隣接する養鶏農家の状況は深刻で、町内での感染を防ぐために、道路の消毒、消毒ポイントの設置、鶏舎をビニールでおおう等の対策をとってきた。移動自粛措置とはいうものの、実質的には移動禁止措置に類するものであり、農家のおかれている状況は深刻である。

また、八千代町はこれまで、「グリーンツーリズム」「クラインガルテン(市民菜園)」などの、親自然型の観光産業に重点を起き、かなりの認知を上げつつあった中での今回の鳥インフルエンザであり、町内の施設のキャンセルが相次ぎ、風評被害の対策が望まれている。

たとえば、八千代町は垂水の商店街と提携して農産物を出荷しており、本年も3月13日に実施される区民まつりへの参加を予定していたが、急遽とりやめざるを得なくなったとのこと。今後の風評被害の拡大が懸念される。

 

■安全宣言の目処

野鳥への感染拡大から予断を許さないが、全戸調査を3月9日に再度実施し、その結果を受けて今週中(はやければ3月10日あたり)に安全・安心宣言をだせる方向性で準備がすすめられている。

3月10日に対策会議を実施の予定。

 

■地域が望む今後の対応

安全宣言が出されたとはいえ、風評被害は簡単におさまらず、町関係者は立ち直るまでに1年はかかると見ている。ゆえに下記の対応策への取り組みが必要と思われる。

@養鶏農家の実被害の実態把握とその支援

A野鳥などへの感染実態調査の早急な実施と具体的な対策の実施

A風評被害を最小限に食い止めるための施策と予算措置

 

■対策本部への提言

今回の事態への対応は、前項@〜Bの3つに切り分けた対応が必要だと思われます。

@養鶏農家の実態把握のための民主党による車座集会などの実施

A京都府、兵庫県などの広域行政の視野にたった国主導の感染対策立案

B長期的な視野にたったあるべき対策の検討(八千代町との連携)

 

■おわりに

今回の報告が基礎資料として、県連対策本部の今後の活動の一助となれば幸いです。

 

以上

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